風のローレライ


第1楽章 風の警笛

5 息吹


でも、やっぱりわたしの予感は的中した。
その公園は広かった。道路に面してサッカー場やテニスコート、それに、小さい子達が遊べるような遊具が揃っている。そして、奥には一面が芝生の広場や植物園、その周りを散歩するための歩道も敷かれている。
昼間はそれなりに人もいるけど、さすがに夜になると不気味だ。散策路の周辺はうっそうとした大きな木が多かったし、風に吹かれた枝が揺れて、まるで森のお化けの巣窟って感じがする。

平河は芝生の広場近くにバイクを回した。すると、そこには既に先客のバイクが何台も停めてあった。それは、熊井達の物だった。しかも、森の方から不穏な音が響いて来る。どうやら複数の人間が殴り合ってるようだった。
「まずいところに来ちまったな」
平河がぼそっと言った。
そして、慌ててバイクの向きを変えようとする。
「待って!」
わたしは止めた。木の隙間から一瞬見えた人影……。それは『FINAL GOD』の連中と……。あの……。
「裕也!」

裕也がどうして……?
「おまえの知り合いか?」
平河が訊いた。
「そうよ。中学の友達……」
そう。これから入る筈の中学の……。でも、わたしは納得がいかなかった。あの時、せっかく闇の風から救ってやったのに……。どうしてまた、こんなことになってるの?

「やべえな。熊井さん達、本気みたいだぜ」
ぼそっと平河が言った。
「本気……?」
その言葉は、何かひどく恐ろしげな響きを持っていた。
「一体何をやらかしたんだ? あのガキ……」
平河が独り言のように呟いた。薄い街灯に照らされて、微妙に輪郭がぼけている。
「どうでもいいよ、そんなこと……」
少しいらついて、わたしは言った。胸の辺りがやたらにざわざわして気持ちが悪い。靴音や呻き声が枝の間から漏れてくる……。空は闇に覆われていた。

温かい風と冷たい風が混じって雲を呼び、月の形を隠している。
「行こう」
わたしは平河の腕を掴んだ。
「行く?」
彼が静かに聞き返す。
「やるなら、今しかないよ」
わたしは覚悟を決めた。そう。今しかない。裕也を助けるなら……。闇の風を使って熊井達をやっつける。そして……。FINAL GODを手に入れる。わたしは命じた。
「行って! 奴らのところに」
平河は無言でバイクを発進させた。そして、茂った木々の向こう側まで進む。

倒れ込んだ裕也の襟を掴んでいた熊井とその仲間達が振り向いた。熊井はうっすら笑みを浮かべている。まだ、わたし達が仲間だと信じているのだ。
でも、わたしは言ってやった。バイクの上に立って……。高らかに宣言した。
「今日からわたしがあんた達を仕切る!」

「仕切るだって?」
熊井はしまりのない笑いを浮かべて言った。周辺にいた仲間達も皆、同じように笑っている。
「何のジョークだい? お嬢ちゃん」
熊井が言う。
「ジョークなんかじゃないよ。だから、とっととそいつをお放し!」
わたしが叫ぶ。風が右から左へ流れてく。生温い鼓動を伝えるように森の奥がざわめいている。

「キラちゃん、だめだ。こんな連中と関わっちゃ……。早く家に帰るんだ」
裕也が言った。
「黙ってろ、ガキ!」
熊井が、そんな裕也を乱暴に殴りつける。
「グフッ……!」
裕也は唇の端から血を流し、意識を失ったようだ。そんな彼を熊井は無造作に地面に叩きつけた。
「裕也!」
けど、彼はわたしの声に反応しなかった。まさか、死んだりしてないよね?
不安になりながらも、わたしは熊井を睨みつけた。

「ひどいよ! どうしてこんなことするの? 裕也が一体何をしたっていうのよ!」
「何をだって?」
熊井は意味有り気にいやらしく笑って仲間達を振り返った。
「ここは、もともとおれ達の縄張りなんだぜ。そこへ、この中公がいきなりやってきて偉そうに意見なんぞ言いやがったのさ。だから、ちょっとばかしルールを教えてやったって訳さ」
「ルールったって、これはちょっとやり過ぎじゃありませんか?」
平河が、倒れている裕也の傷を見て言った。

「平河、てめえ、おれのやり方に文句があるとでも言うのか?」
熊井の目が鋭くなる。
「いえ、別にそういう訳じゃ……」
平河はおどおどと言い訳した。平河のバカ! ほんとにだらしがないんだから……! わたしはがっかりした。
「なら、さっさとこっちへ来い!」
熊井が命じた。
「それは……」
「どうした、平河。おめえもおれに逆らおうってのか? その嬢ちゃんと一緒に……」
「……」
平河は沈黙した。

「今なら聞かなかったことにしてやるぜ」
「……」
「さあ、どっちにする? 平河、返事をしろ!」
「平河……」
心の震えが伝わってきそうだった。そして、わたし自身も震えている。青白い街灯を目指す茶色い羽の蝶が静かに横切ると、逆光に黒いシルエットだけを残して闇の中に溶け込んでいった……。

「おれはいやです」
平河が言った。
「何だと?」
熊井の目が鋭く光る。
「おれには中学生を殴るなんてできません。まして女の子に手を上げるなんて……」
「平河……」
こいつ、ただの臆病者じゃなかったんだ。

「はは。ヒーローにでもなったつもりか?」
「別にそんなつもりじゃ……」
「なら、てめえはすっこんでな。用があるのは嬢ちゃんだ。たっぷりと仕置きをしてやんねえとな」
熊井の目が残忍そうに笑う。
「熊井さん……!」
平河がわたしと熊井達の間に立ちふさがる。

「どけよ! どかねえとおめえもただじゃすまないぜ」
「いやです」
平河はきっぱりと言った。
「殴るなら、おれを殴ればいい。でも、アキラのことはどうか見逃してやってください。こんな子どもを殴るなんてあんまりだ」
平河が言った。
「へへ。誰が殴るなんて言ったよ」
熊井がだらしなく笑う。何かいやだ。こいつ、ちょっと普通じゃないかも……。
「熊井さん……。まさかこんな子ども相手に……!」
動揺している平河。
「子ども? 12にもなってりゃ、もう立派な女だろ?」
何だかいやらしい目つきでわたしを見てる。後ろにいる連中もだ。こいつらも同じなんだ。あのバカ親達といっしょ……。背中がざわざわした。それに……どうしてだろ? 足が震える。熊井がわたしの方に近づいて来た。

「いや! 来ないで……!」
連中の後ろに闇の風が見えた。
「さあ、いい子だ。こっちに来な!」
男の腕がわたしを捕まえようと伸びて来る。けれど、それを平河が掴んで止めた。
「平河、てめえ……!」
怒った熊井が平河の腕を逆にねじると拳で殴りつけた。
「アキラ、早く逃げろ!」
殴られながらも平河が叫ぶ。
「でも……!」
「何をしてんだ! 早く!」
「う、うん」
わたしは急いでその場を離れようとした。早く誰かを呼んで来なきゃ、裕也が死んでしまう! 早く助けを、救急車を呼ばないと……。でも……。

「おっと、待ちなよ、嬢ちゃん」
「そうそう、これまでだってさんざん焦らされたんだ。もうがまんできねえよ」
飢えた瞳。やっぱり、こいつら最低のくずだ。
「来いよ。たっぷり可愛がってやるからさ」
「楽しい遊びをしようぜ」
腕を掴まれた。
「放して!」
振り向くと、平河は三人から殴られ、ずたぼろになっていた。服が血に染まっている。
「いや……!」
このままじゃ、平河も死んじゃう!

腕を押さえられ、仰向けに押し倒された。
「いや……!」
髪を掴まれた。厚くていやらしい唇がわたしのそれに近づく。
「ウ…ウ……!」
唇を塞がれて息ができない……! やめて! 声が……。
「キラちゃん!」
平河が叫んだ。わたしの上に乗っている男の腕の隙間からそちらを見ると、彼は地面を這いながら、必死にわたしの方へ近づいて来ようとしていた。でも……。あれは何? 熊井の手に握られているあれは……。
「うう……!」
男の手がわたしの胸を掴み、ブラウスのボタンを外そうとしていた。一つ、二つ、三つ……。押さえられている腕は抵抗できずに震えた。

「アキラ……!」
平河の悲痛な叫び。
熊井が振りかざした手の先で光る三日月。
あれは……。

ナイフだ!

そして、その背を覆うように広がる

ヤミノカゼ……。

いやだ!

――いやあぁぁっ!

風が弾けた。
頭の中で闇の空が回る。
凄まじい勢いで風が渦巻き、周囲にいたすべての者に牙を剥いた。

――許さない……!

わたしは、そこに立つと命令した。

――消えてしまえ!

「わたしや平河や裕也を傷つけた者なんかみんな……。いなくなってしまえばいいんだ!」
闇の風が吹き荒れた。
影がちぎれ、飛ばされた肉体が何かを叫んだ。けど、そんなこと知らない。何がどうなったってかまわない! あいつらみんなキライ!
キライ!
大キライ!

――消えちゃえ!

「消えてしまえ! 何もかも……」

黒い雲がたなびいていた。
「キラちゃん……」
誰かが呼んだ。その場を囲むように茂った木の葉がカサカサと揺れている。耳の奥で響く呼吸音……。闇の手に掴まれたわたしの心臓がトクントクンと鳴いている。

――消えてしまえ! 何もかも……

確かにあの時、わたしはそう願った。そして、力を振るった。

ち か ら を……

でも……。
森の向こうにジャングルジムがそびえていた。
それより高い外灯の灯りが、鉄の棒に暗い光を当てる。
「風が……」
闇の風が、みんな消し去ってしまった……。熊井も、そこにあったはずのバイクも、何もかも……。

「こんなことって……」
ぐしゃぐしゃと音を立てて壊れてく感情……。
彼らは何処へ行った?
そして、
わたしは何処へ……?
闇の中に闇が浮かぶ。

「わかんないよ。一体何がどうなってしまったのかなんて……ぜんぜんわかんない!」
熱くて冷たい地面に座ったきり、わたしは動けずにいた。

「キラちゃん……」
平河が呼んだ。でも、わたしは返事ができずにいた。
「大丈夫か?」
自分だってずたぼろになっているくせに、平河はわたしのことを気づかっていた。
「裕也は無事だよ。ちゃんと息をしてる」
裕也……? そうだ。彼はわたしのせいで……。涙が流れた。
「わたしのせいだ……。何もかもわたしの……」
どうしてだろう。涙があふれて止まらない……。

「アキラ……」
平河がそっとブラウスのボタンをはめてくれた。なのに、わたしは何も言えず、されるがままになっていた。
「心配ない」
平河が言った。
「おまえはもう、何も心配しなくてもいいんだ。悪いのはアキラじゃない。だから……」
「平河……」
「救急車は呼んだし、おまえのことはおれが絶対守ってやる。どんなことをしても絶対に守ってやるから……。だから……」
平河の胸……。わたしと同じようにドキドキしてる……。それに、すごくあたたかい……。

「アキラ……おまえは帰れ」
平河が言った。
「え?」
闇の向こうから近づいて来るサイレン。
「裕也と話したんだ。おまえは、今回の件には関わっていない。いいな?」
「でも……」
「裕也は骨が折れて重傷だ。病院に行ったら、警察に通報されて……。多分、事件になる。そうしたら、警察にいろいろ訊かれる。おまえは女の子だし、変な噂にでもなったら大変だろ?」
「そんなのかまわないよ。わたしのことよく思ってない奴なんか大勢いるんだ。あのバカ親の娘だってだけで差別されて……」

「親だって呼ばれるぞ」
平河が言った。
「どうして?」
「おれ達はまだ未成年だからさ。よくても悪くても親の保護下にあるんだ。だから、必ず親が呼ばれる」
「そんなことになったら……」
わたしは背筋が寒くなった。

――このバカ娘が! 親の顔に泥を塗ろうってのかい?

残忍で凶悪な笑いを浮かべた親達の顔が浮かんだ。

――おまえも大分いい体つきになって来たじゃねえか

いやらしいあの男の顔がわたしを見下ろす。
「いや……」
わたしは思わず一歩下がった。

「心配するな。あとのことはおれ達が何とかする。だから、おまえは早くここから離れるんだ」
「……わかった」
平河のことが心配だった。それに裕也のことも……。けど、だんだん大きくなって来るサイレンが、わたしの心を焦らせた。
「ごめんね。でも、あとできっと連絡してね」
「ああ……」
わたしは裕也の方を見た。それからもう一度、平河の瞳を見てうなずいた。そして、そのまま夜の闇の中へ逃げるように駆けて行った。

気がついたら、わたしは風見産婦人科の前にいた。
今さら、家には帰れないし、友だちのとこにも行けない。ううん。わたしにはもう友だちなんかいない。

――お母さんがもう、キラちゃんとは遊んじゃいけないって言うの。不良と付き合ってるような子とは……

亜美ちゃんが言った。
きっとわたしが平河のバイクに乗ってるところを見られたんだ。

――お母さんに言われたからじゃないよ。わたしもそう思うから……
――どういう意味?
――中学に入ったら、勉強も忙しくなるし、いい高校にだって入りたい。キラちゃんとはちがうから……

ずっと友だちだと思ってた……。
その正体が何なのか、その時はっきりとわかった。
大人になるってことは、つまり人間が色メガネ越しにしか見えなくなるってことなんだ。
そして、自分にとって得がないことはしなくなる。
付き合う友だちもそういった基準で選ぶようになる。
そして、わたしは選ばれなかった。
そうだよね。わたしと友だちでいたって何もいいことなんてないもん。亜美ちゃんは賢いよ。

わたしは、夜の間もずっと解放されている病院の非常用通路を示す明かりを見つめていた。
「あら、あなたアキラちゃんじゃないの?」
それは風見先生の奥さんだった。
「どうしたの? こんな時間に……」
彼女はまだ看護師さんの制服を着ていた。
「まだお仕事してるんですか?」
わたしが訊くと、彼女は笑ってうなずいた。

「赤ちゃんはいつ産まれるかわからないの。だから、いつでも受け入れられるようにしておくのよ」
「大変なんですね」
「そうね。でも、新しい命の誕生に立ち合うことができる、すばらしい仕事だと思っているわ」
彼女は言った。
新しい命……。
命……。ふと裕也のことが頭を過った。

あいつ、死んだりしてないよね? それに平河も……。
言ってしまおうか。いっそのことみんな……。そうしたらきっと楽になれる。
「あの……」
でも、言えなかった。
「さあさ、中へお入りなさい。このままじゃ、体が冷えてしまうわ」
彼女はやさしかった。でも、やさしくされればされるほど、わたしの心はどこか遠くへ逃げて行ってしまう。まるで闇の風みたいに……。明るい光を避けようとしていた。

部屋の中はあたたかかった。
「待っててね。今、ホットミルクを持って来てあげる」
そう言って彼女が部屋を出て行くと、わたしも急いでそこを出た。そしてまっすぐ外に向かう。
だって、今頃きっと裕也は……。それに平河だって……。
どうにも心が落ち着かない。
わたしは走って道路を渡った。誰もいない横断歩道。クロスした道路をさっと横切る救急車。その赤い光が一瞬だけわたしを照らし、闇の中へ消えて行った……。

本当は風がとても怖かった。
走っても走っても追い掛けて来るそれが……。
固いアスファルトの道を、わたしはどこまでも走り続けた。
裕也がわたしのことを恨んで小言を言った。
――おまえにさえ、出会わなければ……
そうよ。わたしなんか産まれて来なければ……。

――あんたなんか産むつもりじゃなかったんだ

お母さんが言った。

――だいぶいい体つきになったじゃねえか

あの男が言った。
そうよ。最初から産まれて来なければ、こんな……!
向こうから走って来る車のライトを避けるように、
わたしは電柱の陰に隠れた。

――おい
いきなり誰かに呼ばれて振り向くと、
そこには歪んだ熊井の顔があった。
――こっちに来いよ。そして、おまえもおれ達の仲間になれ!
彼は闇と一つになり掛けていた。
「いやだ! 来ないで!」
わたしは急いでそこから逃げた。

闇の手が、わたしを掴もうと何度も襲って来た。
でも、あれに掴まるのはいや!
だって、わたしにはまだ、やりたいことがあるんだ。
「そうだよ。やりたいことが……」
わたしは足を止めた。
「裕也……」
それに、平河も……。二人がどうなったのか確かめなくちゃ……。
だって、あいつらがケガをしたのは、わたしのせいなんだもん。
病院へ……。そうだ。病院へ行こう。でも、どこの……?

だけど、それはできなかった。
「アキラ! こんな夜中にどこ行くつもりなんだい?」
すぐ前の道路で急停止した車の窓から女が怒鳴った。
「お母さん……」
運転しているのは、あの男だった。
わたしは逃げようとしたけど母親に捕まって、無理やり車に乗せられた。
そして、男に両手を紐で縛られて、家に連れて帰られた。それから、狭い部屋に監禁された。

わたしは、それからずっと口を利かなかった。食事も摂らなかった。っていうか、彼らが与えてくれなかった。
でも、平気。そんなこと、これまでだって何度もあったもん。慣れてる。

朝が来て、夜が来て、また朝になった。でも、彼らは、わたしを解放してはくれなかった。

「平河……」

わたしを海に連れてって!
バイクのうしろに乗って、あんたの腰に腕を回して、風を切って進むんだ。
あんたの温もりと鼓動と、風の冷たさと……。それだけを感じていたい。
瞼の裏に映る街灯は、ビュンビュンと飛んで歪んで行く。
そして、その先にあるものは……。熊井の恐ろしい顔だった。
――へへ。おれにはもう、闇の風の力は効かないぜ。おれは闇そのものになったんだ
あいつの顔が迫って来た。いやだ! でも、逃げられない。バカ親がわたしを縛ったから……。

闇がわたしの体を呑み込もうとした。
「やだ! 来るな! あっちへ行け!」
わたしは風の力を使おうとした。でも、どういう訳か風はいうことをきいてくれない。だめだ。呑み込まれる……!
全身がすっぽりと闇に包まれて……わたしは消える。

その時、
「キラちゃん!」
誰かが呼んだ。熊井の顔はもう、そこになかった。闇も砕かれて散って行く。

「どうして……?」
そこには平河と裕也が立っていた。二人はそれぞれの手に長い棒を持っている。
まさか、それで闇を殴ったの?
信じられなかったけど、闇はそれで打ち砕かれた。
「ありがとう」
わたしは素直にそう言った。
「大丈夫か?」
「ケガはない?」
二人が言って、わたしに手を差し伸べてくれた。わたしはうなずいて、その手を掴もうとした。
でも、それは幻だった。
わたしはまだ家にいて、薄汚れた畳の上に転がされていた。